主人が禁煙してくれるまでの奮闘記



25年愛煙家の主人

私の主人は12歳年上で、20歳くらいから25年間喫煙をしていました。1日に1箱から1箱半吸っていました。私はもともと喉が弱く、幼い頃はよく扁桃腺が腫れていました。

付き合っている時は気になりませんでしたが、一緒に住むようになってから夜中に寝ていると毎日のように咳が出て、時には咳が止まらなくなる時もありました。

朝起きるといつも喉が腫れていて、血の混ざった痰が出ていました。正直、このままでは私は肺ガンか喉頭がんなると思いました。

ガンまではいかなくても、何かしらの障害が出ると思いました。私もしかしたら死ぬかもしれない。そんな気持ちと闘っていました。

私は接客業だったので、タバコの臭いがつくのも正直困りました。

結婚して少し過ぎた頃、テレビで禁煙外来のコマーシャルを放送するようになり、保険も1回目は適用すること(条件を満たした上で初回診療から1年経って禁煙に失敗してしまった場合は、再受診出来るようです)を知り病院に行く良いきっかけでした。

コマーシャルの後、今の自分の状態を話しました。初めは、じゃあ分煙で。という感じで隣の部屋で吸ったり、一緒に車に乗っている時は停車して外で吸ってくれるようになりましたが、ある日主人は禁煙外来に行きました。

禁煙外来では、ニコチンパッチを処方してくれました。ニコチンパッチを貼るとニコチンが体に補充されるようで吸わなくてもよくはなりますが、手と口が淋しいと完全に辞めずに1日3〜4本は吸っていました。

やがて処方されたニコチンパッチは全部なくなりました。

残念ながら、たばこの量は元に戻りました。

そして、「私に今度はたばこ吸ってる振りして病院でまた、ニコチンパッチ貰って来て」と言う始末。「そんなこと出来る訳ないでしょ‼︎」と反論する気にもならず、ただ薄ら笑いしていまいました。

完全に自力では辞めようという気はなく、私に言われたからとか自発的ではありませんでした。

分煙という生活が続き、そんな中、私は妊娠しました。たばこがもたらす影響は胎児の発育や機能発達に影響します。そして、流産や早産、低体重児の可能性や生まれてからは乳幼児突然死症候群の可能性も高くなります。その内容が書いてある紙を病院からや自治体から貰い、見せて説明したり、ネットを見せても「だから分煙してるんだ」と言って、禁煙という気持ちにはなりませんでした。

「知り合いの旦那さん、肺気腫になったらしいよ。ずっとたばこ吸ってたけど辞めたんだって」という話題も「へぇー」のみ。

そして、たばこを吸う理由については普段話さない人と喫煙所で話が弾んでコミュニケーションが出来たり、仕事の飲み会でもそれで間が持ったりするし、たばこも大切なんだみたいな事を言っていました。

子どもが生まれてもまだまだ相変わらず分煙の生活です。分煙も気休めでやはり影響するという話を聞いて訴えても変わりません。

3月になり、子どもが1歳にもうすぐなろうとする頃、子どもと主人が風邪をひきました。子どもは気管支炎になり掛けていましたが、病院から処方された薬で収まりましたが、自力で治そうとした主人は咳が酷くなり、夜横になると特に止まらなくなりました。

別の部屋で寝ると言ってリビングで主人が移動しました。扉が閉まっていても主人の乾いた咳が聞こえてきました。もしかして、肺ガン?とても心配になり、主人の症状を検索してみると「咳喘息」の症状に当てはまりました。

同じ家ですが、別室という事や咳で話すのも大変かなと思い、メールで「もしかして、咳喘息っていうのかもしれないし、明日は仕事休んで病院に行ってください」とメールしました。主人も自分の止まらない咳に悪い病気ではないかをネットで検索していたそうです。翌日、主人は病院でいろいろな検査を受けたそうです。

当時46歳。「肺ガンではないですと言われホッとしたけど、この子のために長生きしないとなぁ」

病気の先生にも禁煙を勧められたそうです。主人は感情論より理論的にしっかり道筋をつけて説明して納得した時だけはいつも素直です。第三者である病院の先生に冷静にお話して頂き、特に数値などで表すと覿面です。今回の受けた検査でかなり影響を受けている様子。

この時はまだこんなに咳をしているのに吸っていました。しかし、次の日主人が言いました。
「たばこ不味いわ」
咳喘息で苦しいし、美味しくないたばこ。禁煙よりも咳が苦しく、禁断症状よりも病気の症状が勝っていたようで、気付くと3日吸っていなかったそうです。

ある日から何でこんなに苦しいのに吸ってるんだろう。と思ったそうです。

これはこのまま禁煙出来るかもしれない!
私には本音は初めた頃は教えてくれませんでしたが、咳が収まり、病気が回復してきてやっぱり吸いたい気持ちも出てきたそうです。

吸いたい気持ちがない時でも習慣でたばこの箱を胸ポケットから出す仕草を無意識にしていて、たばこはニコチン中毒もあるけど、習慣で吸っている場合もあるんだと悟ったそうです。

禁煙生活は葛藤の連続でもあり、飴、ガムで紛らわしたり、子どもの写真を見て喝を自分に入れたり、禁煙の記事のサイトを見て共感したり、禁煙アプリで自分を励ましたり、時に私に節約本数や禁煙日数を報告して褒めてアピールしたり。

今では会社の後輩が休憩室でたばこを吸って臭いと窓を開けて換気をしたとか、たばこの臭いが嫌だと置き型の消臭剤を会社に置いたりしています。私自身、主人がまた喫煙している夢を何回も見ましたが、もう、全然吸いたいとは思わないそうです。

主人曰く、咳など体が辛くなった時が禁煙の狙い目で、咳が辛すぎて禁断症状もよく分からないそうです。

確かに周りの禁煙した人の大半は体調不良で症状が出た時です。あとは第三者の冷静な助言と、どれだけ禁煙したいのかという本人の決意や自発的な気持ちと脳にこれは不味いとインプットさせた事が効果があったのではないかと思います。

正直、喫煙と禁煙は家族も巻き込んでいます。

「禁煙で伸びた寿命は喫煙者だけではなく、副流煙を受動喫煙している私もなんだよ」禁煙アプリを見せてくれる主人に私は心の中で囁やくのでした。

もうすぐ禁煙1000日。その日はお祝いしようと話しています。



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