今回は、実際に禁煙外来を無保険で受けると、どの程度費用がかかってしまうのか?という所をまとめていきたいと思いますので、保険の適用を受けることができなかった方や、禁煙外来の費用が気になっていた方に参考にしていただければと思います。
禁煙外来とは?
禁煙外来は、全行程が12週間で完結するようにプログラムされた禁煙のための医療行為です。
12週間の間に診察を5回ほど受けることになっていて、禁煙外来の治療中に最も大切なことは医療従事者に何の相談もなく治療を中断しないことだとされています。
1度診察を受けて処方された薬さえあれば、自分で禁煙できると受診を止めてしまう人が大勢いらっしゃいますが、そうした人たちの禁煙成功率は最終的には低いことが証明されています。
5回の診察を全て完了した人と、診察を途中で中断した人の禁煙成功率を比べてみると、完了した人の禁煙成功率が50%なのに対して途中中断の人の禁煙成功率はわずか6.5%になっています。これはタバコ自体が強い薬物による依存だということの証明にも引用されるデータです。
禁煙外来の保険適用条件
まず禁煙外来を受けようと思ったら、治療費の負担を抑えるために自分が保険適用条件に当てはまるのか、絶対に病院の人に相談してみましょう。
①2回目以降の禁煙外来の場合
前回の治療から1年以上が経過していること。仮に1年以内の再治療になると全額自己負担になってしまいます。
②ニコチンの依存度チェック項目
これは、医療機関で行われます。喫煙指数のチェックが入り、1日の喫煙本数×喫煙年数が指数200以上であることが条件になります。
③すぐに絶対に禁煙がしたいという本人の意思があるのか
④禁煙を宣言する署名を医療機関に提出すること
この4つが禁煙外来の「保険適用条件」となっています。
禁煙外来の自己負担額とは
結論から言うと、各医療機関によって異なりますが自己負担で禁煙外来を受診しようと考えると費用的には12週間の治療で7万円〜8万円ほどかかってしてしまいます。
治療費の内訳
①診察料
保険適用だと2,500円程になりますが、適用されないと8,000円程になります。
②ニコチン依存症管理料
禁煙外来特有のニコチン依存症管理料という項目で費用が発生します。こちらは保険適用だと3,000円程度ですが、適用されないと約10,000円程になってきます。
③処方箋料
保険の適用だと1,000円程度、適用されないと3,000円程になります。
④チャンピックス代
禁煙治療の要であるチャンピックス代。保険適用だと15,000円程。適用されないと45,000円程ということになり、合計で7万円ほどになってしまうという概算になります。
※この費用は、禁煙外来が基本スケジュール「12週間」で計上した金額になります。それ以上に治療が伸びた場合や各医療機関によって料金には幅があることが考えらるので、必ず受診する医療機関に問い合わせてから治療に入ることにしましょう。
禁煙外来の保険適用外になる条件とは
禁煙外来が保険適用外になる可能性については、他にもパターンとしていくつか存在しますので簡単にまとめてみようと思います。
まず1年以内に禁煙外来での治療歴があると現在の禁煙外来治療については自費になってしまいますので注意が必要です。
次に、禁煙指数が200に達しなかった場合は禁煙外来が保険内で受けることができませんが、この項目に関しては平成28年度から35歳以下の若年喫煙依存者の方に関して、指数の免除が適用されるようになりましたのでご確認ください。
次に、禁煙外来での治療が12週間を超えた場合も保険の適用が認められていませんので注意が必要です。
さらには未成年者への喫煙治療に関しては公的な保険は適用されませんので、保護者の方と医療関係者を交えての相談が必要になります。
禁煙外来の効果について
各方面で過大的に禁煙外来の効果や処方されるチャンピックスの効果を謳った文句がありますが、実際には禁煙外来のスケジュールを全てこなしても重度の喫煙者が完全に禁煙できる確率としては48%程度にとどまっているのが現状です。
さらに現在では禁煙外来で医療機関から処方されるチャンピックスを通信販売で購入できてしまうので、そういった怪しいサイトの売り文句としてあたかも効果が高いかのような錯覚を喫煙者に与えてしまいます。
チャンピックスは確かに禁煙効果が高い反面、その強い副作用が本国アメリカでも問題になるような注意が必要な薬物になりますので、必ず医療機関から処方箋をもらってから服用するようにしましょう。
具体的なチャンピックスの副作用としては、睡眠障害に関しての報告が顕著なことと、吐き気や頭痛、倦怠感といったことから様々な報告が寄せられています。
服用量自体も、禁煙外来の診察が進むにつれてその人にあった容量が指定されて処方されますので、その用法や用量を守って正しく服用するようにして、不快感を感じるようなことがあればすぐに担当の医療従事者に相談するようにしましょう。
まとめ
禁煙外来は、自身での禁煙が非常に困難で、医療の手助けが必要とされる方向けに医療保険を適用させて治療しようという診療方法です。
このように喫煙は重度の依存を引き起こし、国家が病気と認定しているから保険が適用になるわけですね。
まだ禁煙外来の保険提要外の方も、重度の依存症になってしまう前に少しづつ禁煙に向けて動き出してみてはいかがでしょうか。
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