今回は、ニコレットはどんな薬?禁煙への効果と注意点を解説、ということで、ニコチンガムを中心にニコレットの効果や、起こり得る副作用についてまとめていこうと思いますので、これから使用を考えいらっしゃる方の参考になればと思います。
さて、タバコを吸いたい衝動に襲われた時にニコレットニコチンガムを噛むことで、体内にニコチンが緩やかに補給されるため、吸いたい衝動がかなり抑えられてきます。薬局、ドラッグストアで購入が可能で即効性もあるため、実際に使用してみて自分に合うようだったら、持ち出し用にも常備しておくと便利でしょう。
しかし、ニコレットは全て医薬品に指定されているものですので、普通のチューイングガムのように好きなだけ噛んでいいというものではありません。正しく使用していかないと、効果が出ずに、逆に副作用に苦しむ恐れがありますので、使用上の注意をよく守って用法用量を気にして使用するよう心がけましょう。
ここからは、ニコレットの概要とニコチンの置き換え療法の効果と実際の使用方法、使用料の目安や使用上の注意点などをまとめていこうと思いますので、ご覧ください。
ニコレットの開発の経緯について
そもそもニコチンの置き換え療法は、スウェーデンの潜水艦乗組員が航海中に禁煙による離脱症状に大変苦しんでいたことがきっかけで、1967年にオベフェルノ博士によって最初に考案されました。
その後、1978年にやはりスウェーデンのファルマシア社によって最初のニコチン製剤としてガムタイプのニコレットが開発されたというわけです。その後、ニコレットは日本に1994年に医療用医薬品として上陸して、多くの禁煙希望者の禁煙の助けになってきました。現在ではニコレットは世界の約60カ国の国々で使用されるまでになりました。
そもそもニコレットの始まりが、潜水艦乗組員の長期航海用のものだったというのは本当に驚きですね。
ニコレットの使用で効果がある依存とは
種類その1 身体的依存への効果
次にニコレットが効果を発揮する、ニコチンへの依存への話を記述していきたいと思います。
まず最初にニコチンによる人体への身体的依存についてです。ニコチンに対する身体的依存の原因については、ニコチンによる中枢神経や末梢神経への働きかけによるもので、少量でも人体に快感をもたらします。
目安としては、少量の摂取で興奮作用の効果、眠気覚しなどの効果があり、大量の摂取で鎮静、気を沈めるような効果があることがわかっています。そのニコチンの摂取が日常になり、或る日突然摂取をやめることで、ニコチンの離脱症状が起こり、ニコチン成分への渇望、落ち着きのなさ、欲求不満からくる怒り、心拍数の減少、不安感や孤独感、食欲の亢進による体重の増加現象、集中力の著しい低下などが症状として挙げられます。
こういった身体的依存への特徴に当てはまる症状に関しては、基本的にニコレットの処方に代表されるニコチンの置き換え療法が効果的であるとされています。
種類その2 心理的依存への効果
次にニコレットが効果を発揮する、ニコチンによる心理的依存について記述していきたいと思います。
ニコチンによる人間の精神的、心理的な依存は代表的な症状として、喫煙の生活習慣に終始するところです。その日の気分やストレス状況などによって、自分の考えで喫煙をコントロールできなくなったり、目覚めに一服してしまったり、仕事の区切りにおいて喫煙習慣ができてしまったり、会議中やお酒の席での喫煙が我慢できなかったり、食事の後やコーヒーの後の一服の習慣化や、車の運転中、禁煙スペースを出た直後の一服も心理的な依存によるものだと考えられています。
こういった心理的な喫煙依存、ニコチン依存にもニコレットによるニコチンの置き換え療法は有効であるとされています。
ニコレットを用いたニコチン置き換え療法について
ニコレットを用いたニコチン置き換え療法について記述していきます。
ニコチン置き換え療法とは、喫煙習慣をニコチン依存症と捉えて、ニコチン依存を段階的に改善して最終的に禁煙に移行する補助的な療法になります。基本的には、ニコチンの摂取を喫煙以外の方法で置き換えることで、タバコを吸うという習慣からまず離れていく方法がとられます。
その後、段階的にニコチンの摂取量自体を減らしていき、最終的にはニコチンの摂取量もゼロにすることで禁煙を成功させようというのが狙いです。大前提として、ニコチン置き換え療法は禁煙を助けるための禁煙補助という医療的な位置付けであることから、ニコレットは禁煙薬ではなく、禁煙補助薬という名目で使用されています。
つまり、禁煙はあくまでもニコチン依存者本人の意思によって達成されるものであり、禁煙希望者の決意と動機がスムーズに禁煙を成功させる重要な要素になっていると言えるでしょう。
ニコレットの特徴と臨床効果について
ニコレットは、禁煙時のイライラや集中力の低下などの症状を緩和します。
禁煙外来で処方されるような禁煙薬に代表される作用の、タバコをまずくさせたり、嫌いにさせるような作用はありません。タバコを吸わない人や、現在吸う習慣のない人にとっては、身体に悪影響を及ぼしますので使用は控えるようにしてください。
ニコレットの臨床の効果に関しては、ニコレットを使用した被験者と使用しなかった被験者とのデータで、離脱症状の発現頻度が48.8パーセント下がったという検証結果が報告されています。集団禁煙指導での併用でさらなる効果があることから、禁煙は多人数の中で他の人の監視下のもの行った方が達成しやすいという貴重なデータも出てきています。
これから禁煙を行う方は、ぜひ周囲の人たちに禁煙する旨のアナウンスをしてから禁煙に臨むと効果が出やすいと言えるでしょう。
ニコレットの起こり得る主な副作用について
次にニコレットの使用で起こり得る副作用について記述していきます。
まずは口腔内や喉の痛み、過剰に口内炎ができるなどの口腔環境の悪化が比較的良くある副作用として報告されています。
次に消化器関連で起こる副作用の症状として、嘔吐感や腹部の不快感、しゃっくりやげっぷの頻発、胸やけなどの症状も事例として報告されています。
その他頻度としては少ないですが、発疹、かゆみなどの皮膚症状や、頭痛、めまい、思考減退などの精神神経系の症状、動悸などの循環器系への症状も事例としてはありますので、そういった副作用を感じた段階で、医師の診断を受けてその間ニコレットの摂取は一時的に止めるようにしましょう。
ニコレットの使用方法と使用量の目安について
ニコチンガムは噛むことでガムに含まれているニコチンが口の粘膜をとうして血液中に吸収される流れで体内にニコチンを取り入れることになります。ゆっくりとニコチンを体内に取り込むので、禁断症状の緩和には少々時間がかかることを覚えておいてください。
目安としては30分から60分ほどの時間をかけてゆっくりと噛むようにしましょう。だいたい、1日の喫煙本数でニコチンガムの摂取量も決まってきます。1日の喫煙本数が31本以上の人で1日9個から12個ほどのニコレットが必要になります。喫煙本数が1日一箱程度の人の場合は、ニコレット換算で5個から10ほどになりますので、目安として覚えておくと良いでしょう。
ニコレットを減らす目安の時期としては、ニコチン置き換え療法を始めてから4週以降くらいを目処に徐々にニコレットの量を減らしていきましょう。1日1個2個程度のニコチンガムで我慢できるようになれば、完全禁煙はもうすぐです。モチベーションを保ちつつ禁煙に臨むようにしましょう。
ニコレットの主な使用上の注意点について
とにかく、喫煙との併用はニコチン過多になってしまい大変危険なので、ニコレット使用中の喫煙はやめましょう。
次に、ガムとは言ってもチューイングガムではないので、使用に関しては一回につき1個を守るようにしましょう。どれだけ口淋しく、ニコチンへの渇望が出てきてしまっても、ニコレットの1日の最大使用量は24個までに制限しましょう。それ以上の摂取は、副作用が強く出る恐れがあり、大変危険です。
当たり前ですが、妊娠中、または妊娠の可能性がある人は使用をしないようにしましょう。
最後に
ここまで、ニコレットはどんな薬?禁煙への効果と注意点を解説、ということでまとめてきましたが、参考になりましたでしょうか?
ニコレットは自分に合った使い方さえすれば、非常に効果的な禁煙の助けになる頼もしい商品です。
しかし、手軽になった分医薬品であるということを忘れがちなので、その点に注意して副作用に十分配慮して、健康的に禁煙できるように頑張りましょう。
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